2010年07月20日

決算書で気をつけるべき財務指標




こんにちは。朝4時35分起きの税理士、山内です。

今回は、銀行等との借入れ・資金繰りのお付き合いの上で、会社の決算書で気をつけるべき指標についてお伝えします。


前々回7月15日のブログ『銀行との付き合い方』でも申し上げましたが、普段から以下の2つを心がけて、決算書を組めるようにすべきです。

A.債務超過にしない
B.何期も続けて赤字にしない。

これは普段から気をつけるべき経営の心構えともいえるでしょう。



さて、では具体的に、銀行が融資審査において、会社の決算書でとくに重視する指標は何でしょうか?

それは、以下の2点です。
(銀行や審査担当者、状況によって、考え方や指標の算出方法が異なることはご承知おきください。)

・自己資本比率

・債務償還年数



自己資本比率は上記「A.債務超過にしない」と直結する指標です。

簡単に言うと、総資本に占める自己資本の割合を示すものです。

言い方を変えれば、会社の総資産から負債を差引いた純資産が、どれだけの割合なのかを示します。


計算式は、「自己資本(純資産)÷総資本(総資産)×100」です。

自己資本比率は、その数字が高ければ高いほど企業の安全性が高いと判断されます。

基準としては、30%もあれば、理想的です。

少なくとも10%〜20%は欲しいですね。


もし、この数値がプラスではなく、マイナスですと、いわゆる債務超過の状態です。

状況にもよりますが、一般的には債務超過の中小企業に銀行は新規融資をしない、と考えられています。

とくにプロパー融資は、かなりきつくなるでしょう。



債務償還年数は、企業が有利子負債を全額返済できるまでに、何年かかるかという指標です。

企業の返済能力を示す指標といってもいいでしょう。


計算式は、「有利子負債÷(営業利益+減価償却費)」です。

算出された数字が小さければ小さいほど、優秀な企業と考えられます。

理想としては10年以内をキープしたいところです。

銀行としては、融資したお金があとどれだけの期間で返済されるかという、最も気になる指標ですよね。


仮に今回の決算期末の借入れ残高が5000万円あったとしましょう。

今期の営業利益が300万円で、減価償却費が100万円だったとします。

「5000÷(300+100)」=12.5で、債務償還年数は12年半ということになります。



ちなみに、「営業利益+減価償却費」は言い方を変えれば、キャッシュフローの額ともいえます。

キャッシュフローとは、損益計算書上の損益とは違った概念で、現預金の入金・回収と出金・支出をベースとした考え方です。

このキャッシュフローが金融機関からの借入れの返済原資と考えられます。

ここでこの「キャッシュフロー」と借入金の「年間返済額」のどちらが多いかを比べてみてください。

1.キャッシュフロー > 年間返済額 の場合
2.キャッシュフロー < 年間返済額 の場合

1はキャッシュフローが借入れの年間返済額より多いケースで、2はキャッシュフローが借入れの年間返済額より少ないケースです。

どちらが優良な企業で、銀行が新規融資に積極的になるか、答えは明らかですよね。



当然、銀行が企業の業績審査を行う上では、「自己資本比率」や「債務償還年数」だけで企業の業績を評価するわけではなく、他の様々な財務指標や審査項目が考慮されます。

しかし、この2つの指標は金融機関が重視するものであることは間違いなく、また、銀行との付き合いや資金繰りの面だけでなくても、会社経営全般においても重要な指標ですので、ぜひとも、
「自己資本比率」や「債務償還年数」を気にかけて会社経営にあたってください。

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2010年07月17日

創業者向けの新しい融資制度(日本政策金融公庫、旧・国金)




こんにちは。朝4時10分起きの税理士、山内です。

以前のこのブログで、日本政策金融公庫(旧・国金。以下、「公庫」と称します)の融資制度、借入れ申込みのときの注意点をお伝えしました。

公庫の融資制度について。その1
同その2


さて、今回お伝えするのは、創業者向けではありますが、今年2010年4月1日から始まった、公庫の新しい融資制度についてです。

この制度は、公庫の発表によれば、こう言っています。
「成長が見込まれるにもかかわらず、創業後当面の間の業況が厳しく、黒字化に至っていない創業者を支援するため、新規開業資金を拡充し、特別利率による低利の融資」。

この制度の特色は、売上がアップしていても決算が赤字の会社に対し、将来の業績回復を見越して、低利で融資するという姿勢ですね。

もう一つの特色は、融資後に公庫が実施するフォローアップ(財務や経営上の課題について相談に応じるもの)を受けることが条件となっていることです。



詳しい融資の条件は、以下のとおりです。

・対象者

事業開始後おおむね5年以内で、次のすべてに該当する場合。
1. 融資後3年以内に雇用の拡大を図ること。
2. 最近の決算期における売上高(または最近の売上高)が前期に比し10%以上増加している。
3. 最近の決算期において経常利益が赤字(個人の方は所得300 万円以下)であるが、ご融資後3年以内に黒字化(個人の方は所得300 万円超)が見込まれる。

(税務申告を終えていなかったり、創業後1年を経過していない場合は、対象とならない。)

・資金の使途
運転資金及び設備資金。

・融資限度額
7,200万円以内(うち運転資金は4,800万円以内)。

・返済期間
設備資金は15年以内(うち据置期間3年以内)。
運転資金は5年以内(うち据置期間6ヵ月以内)。

・利率(年利%)
1.75〜3.6%。
(平成22 年4月7日時点。その時々で変動します。)

・取扱期間
平成24年3月31日まで。

・その他
申込に際しては「事業拡大計画書」を提出する必要がある。


公庫からの借入れに限らないことですが、会社の資金繰り改善は諦めないことが必須条件です。

以前に公庫へ融資申請に行って断られた方も、この制度を検討してみてはいかがでしょうか。

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2010年07月15日

銀行との付き合い方




こんにちは。税理士の山内です。

前回は、銀行が企業をどのように評価しているかについてご説明しました。

今回は、借り手である企業側はどう考え、対応し、銀行と付き合うべきかについてお伝えします。

下記の3点に絞ってお話します。

1.銀行と初めて取引をするとき

2.普段の付き合い方

3.決算のとき



1.銀行と初めて取引をするとき

創業したばかりだとか、今まで銀行からの融資をうけていない、という場合、普段お付き合いしている銀行がないというケースが多いですね。

そういう会社が、いざ資金繰りのために借入れが必要となったときに、たいへん困ることになります。

かと言って、近くの銀行の窓口に飛び込みで借入の申し込みに行っても、はっきり言って、ムダです。

銀行は、飛び込みで融資をお願いしてくる人を警戒するのです。


では、そういうことにならないようにするには、どうしたらいいのか。

ズバリ、急な資金繰りであわてないように、以前からこういうときを見越して、普通預金や当座預金口座のある銀行で、売上入金や経費支払いなどでお金を動かしておき、実績を作っておくことをお勧めします。

担当者から、定期預金やローンカードを作ってくれというお願いがあれば、負担にならない程度にお付き合いしたほうがいいでしょう。
これも将来のためです。


知り合いの会社社長とか、地位や信用のある人に、その人の付き合いのある銀行の担当者を紹介してもらうという手もあります。


たまに銀行の融資係の人が融資の営業回りである日突然、訪れてくるかもしれません。

そんなときは、借り入れの必要が無いからといって邪険にせずに、将来のために、おつき合い程度に普通預金や定期預金のお誘いに乗ったほうが良いでしょう。


2.普段の付き合い方

既に銀行とある程度の関係を築き、融資などの実績がある場合は、以下の点を気にかけてください。


・試算表を半年または3,4ヵ月ごとに銀行の担当者に随時、手渡す。

融資を受けている場合、ほとんどの会社では毎年の決算が終わった後、銀行側から決算書を出してほしいと言われるでしょう。

それをあえて、年に一回の決算後にとどまらず、こちらから積極的に半年ごととか 3,4ヵ月ごとに試算表を見せてアピールするのです。

銀行も一般の会社と同じく、営利企業です。
優良な企業を探し出して融資を増やしたいのが本音です。

ところが、銀行担当者も忙しくて、そうしょっちゅうは会社訪問はできません。
担当先が何百社もあり、本当のこちらの会社の実力、将来性に気付いていないこともあります。

こちらからアグレッシブにアプローチすることによって、銀行のその会社への評価も変わるかもしれません。


・支店長に顔を知ってもらう

どこの銀行でも、支店長決済枠の融資というのがあります。
本店の審査を待たずに、支店長の一存で、ある一定程度の額の融資ができるのです。

支店長の決済枠でなくとも、融資審査の上で、支店長の心証で大きく左右される可能性があります。

支店長に会うタイミング・きっかけとしては、会社の決算ができあがったときに、決算の説明をしたい、という口実がいいでしょう。

決算書ができましたから、ぜひ決算の結果や今後の見通しについて話を聞いてほしい、といえば、支店長も対応してくれるはずです。


・複数の、種類の違う銀行との付き合いを心掛ける。

メインバンクというつもりの深いお付き合いの銀行があったとしても、そことしか取引しない、というような義理立てする必要はありません。

その深いお付き合いの銀行も、今はうまく付き合えても、もし会社の業績が悪くなったら、手のひらを返したように融資姿勢を変えます。

常に複数の銀行を天秤にかけ、競争させて、いざというときにはメイン銀行の乗り換えが可能なように、保険をかけておいたほうがいいでしょう。

その際には、メインがメガバンクなら地方銀行ともお付き合いするとか、メインが地方銀行ならば、信用金庫とも取引をはじめるとか、種類・規模の違う金融機関とのお付き合いをこころががけた方がいいでしょう。

一口に金融機関といっても、メガバンクから地方銀行、信用金庫、信用組合など、いろいろです。
最近は新銀行東京や日本振興銀行など、物議(?)をかもしてはいますが、新勢力の銀行もあります。

種類・規模によって、融資姿勢や金利、諸条件が違ってくるはずですから。


3.決算のとき

決算書の数字で融資審査の7,8割が決まるといわれています。

銀行とのお付き合いにおいて、決算に際して大切なのは2点です。

A.債務超過にしない
B.何期も続けて赤字にしない。

当たり前ですね。


Aの債務超過とは、貸借対照表の「資産の部」から「負債の部」を差し引いた額、つまり「純資産の部」がマイナスになっているケースです。
「自己資本割れ」とも言います。

銀行は、この「純資産の部」に注目し、債務超過、自己資本割れの場合は、かなり厳しい評価を下します。

債務超過を避けるためには、毎期の損益を黒字にすることが一番です。

でも、そんなことわかりきってるけど、それができない、今さらどうしようもない、という会社も多いでしょう。

そういう会社は、せめて、下記の点は決算前に急にやってやれないことはないので、考えてみてください。

・役員借入金を資本金に振り替える。
・社長勘定、雑勘定はできるだけ処理しておく。

役員借入金を資本金に振り替えれば、純資産が増えます。
債務超過が解消されるかもしれません。
登記などの費用と手間がかかりますが、自己資本割れしそうな会社はぜひ検討してみてください。

社長勘定や雑勘定といわれる、役員とのお金のやりとりについては、決算時にはできるだけ消してしまいたいところですね。

社長への立替金、役員貸付金は決算書の資産の部に計上されていても、銀行は実質的には資産とみなしません。
できるだけ、決算までには清算したいところです。


Bの何期も続けて赤字にしないという点ですが、これができてれば誰も苦労しませんね。

シンプルすぎて忘れがちなことですが、赤字にしない、つまり利益を作るには、次の3つを心掛けるしかありません。

・売上を増やす。
・粗利益率(売上総利益率)を高める。
・経費を削減する。

3つ全部とは言いません。
せめて一つでも、やればやったなりに改善できるところがあるはずです。


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2010年07月03日

銀行は企業をどう評価するのか?




こんにちは。税理士の山内です。

今回は、銀行の企業評価についてお伝えします。

銀行は企業のどこを見て、融資の姿勢や返済計画の見直しなどを判断するのでしょうか。


大まかに言えば、この3つです。

1.定量評価

2.定性評価

3.融資・返済状況


1.定量評価

定量評価とは、企業の決算書をもとに数字でもって評価するということです。

具体的には、貸借対照表、損益計算書をもとに評価するのですが、貸借対照表においては実態的バランス、
損益計算書においては営業利益、経常利益を重視します。

ここで言う実態バランスとは、銀行が自行のマニュアルに基づき企業の貸借対照表を独自に算定した結果です。

例えば、以下のようなことを独自に査定します。

・資産の含み損は加味するが、含み益は加味しない。

・売掛金等の債権は回収可能性により金額を修正する。

・代表者からの借入れなど、実質的に返済不要の債務は資本の部に参入する。

・代表者への貸付など、実質的に回収不能とみなして資産から差引く。

・本業で不使用の不動産や有価証券、関連会社関係資産は厳格に査定して加味する。


このような査定の結果、資産の部の金額から負債の部の金額を差引いた「株主資本(純資産)」の額を重視します。

株主資本(純資産)がマイナスであれば、債務超過ということであり、銀行の自己査定上の区分として「破綻懸念先」に分類することにもなりかねません。

(自己査定上の分類方法はこの後半にご説明します。)


損益計算書においては、銀行は営業外収益や特別利益での収益は度外視します。

つまり、その会社本来の本業の営業結果としての「営業利益」と、臨時的・偶発的な収益を除いた「経常利益」を重視するということです。

例えば、本業とは関係のない収益、補助金、税金の還付などの「雑収入」、債務免除益や固定資産売却益などの「特別利益」は企業の本来の収益力を表すものではないので無視します。


以上の査定を経て、「安全性」「収益性」「成長性」「債務償還能力」に各々点数をつけ(スコアリング)、その合計点で評価します。


2.定性評価

定性評価とは、簡単に言えば、企業のカネの面ではなく、ヒト・モノで評価するということです。

この評価においては、大きく分けて以下の2つの点に注目します。

・企業全体の技術力・販売力

・経営者の資質


企業全体の技術力・販売力としては、同業他社と比べた優位性や業歴、業界内での地位や評判が大きくものをいいます。
マーケティング力や製品開発力も加味されるでしょう。

経営者の資質としては、その経営スタイルだけではなく、ブレーンの人材育成や後継者の有無、個人資産状況や人脈も大きく左右されるでしょう。


3.融資・返済状況

もちろん、現在のその企業へのの融資状況や返済の状況も銀行にとっては大きな注目点です。

返済が2ヶ月以上延滞していたりすれば、「破綻懸念先」以下に分類します。

適用レートが支援金利(短プラ以下)の場合、リスケジュール要請により返済期限が長期の場合などは「要管理先」に分類します。

銀行はこのようにして企業を見ているわけです。



◎銀行による企業(債務者)の格付

銀行の自己査定による債務者区分、格付について説明しましょう。

債務者区分とその対応方法は以下のとおりです。
(対応方法は、メガバンク・地銀・信金など規模や個々の銀行の状況により差があります。)

・正常先(高格付け)・・・積極対応。

積極的に貸付セールスし、他行よりもシェアアップを狙う。

・正常先(低格付け)・・・一定の範囲内で積極対応。 

保全・採算を勘案して貸付要請に対応する。

・要注意先(要管理先)・・・消極対応。

現在の貸付は維持するが、新規貸付はは回避。
採算性と保全を確保するために金利引上げ、返済額の増加、追加担保を要求する。
主力銀行が他行であればその動向を注視する。

・破綻懸念先・実質破綻先・・・取引の後退、回収または債権の譲渡。

元本回収を優先し、回収額の増加または担保・保証人の追加を要請する。



銀行はこのように債務者である企業を格付けします。

これに対して、資金の借り手である企業側はどう考え、どう対応すればいいのでしょう。

その対応方法、銀行との付き合い方については次回ご説明します。


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2010年06月30日

日本政策金融公庫(旧・国金)について(その2)




こんにちは。税理士の山内です。

今回は前回に引き続き、日本政策金融公庫(旧・国金、以下は「公庫」とします。)についてお伝えします。


前回は「普通貸付」と「新規開業者向け融資」について書きました。

今回は「特別貸付」と「小企業等経営改善貸付(マル経)」についてお伝えします。


その前に、公庫についてよく聞かれる質問について、お答えしましょう。


【Q】公庫では会社の決算が赤字でも貸してくれるの?

【A】必ずとはいえませんが、少なくとも民間の銀行よりは、赤字の会社に対して貸してくれる確立は高いといえるでしょう。

もちろん、以前の取引の経緯やその会社の今後の見通し、業界の置かれている状況など、総合的に判断されるので一概には言えません。

ただ、民間の銀行は自己査定といって、毎年貸付先の決算書をもとに債権の分類をし、このときに赤字の会社は「要注意先」として「正常先」より下のランクになり、新規の融資や融資枠の増加には足踏みすることになります。

その点、公庫の査定は、こういっては失礼ですが、民間銀行に比べれば、甘く見ることが多いようです。

それは、民間ではできないことを国の信用をもとにリスクを負って政策的使命果たすために融資を行うという公庫本来の性格によるものです。



【Q】前期は業績が好調だったので、社長への役員報酬は前期と同じ金額を今期も計上し続けました。

しかし、今期はご多分にもれず不況の影響で売上も落ち、資金繰りの関係上、社長への役員報酬は半年分を未払いのまま決算を迎えました。

その結果、貸借対照表上は社長への未払い役員報酬の半年分として役員借入金勘定が計上されています。

この決算書で公庫からの融資は受けられるでしょうか。


【A】これも絶対とはいえませんが、会社から見た役員からの借入金は実質的に資本金と同じとみなし、自己資本と同等に勘定されますので、融資にあたっては問題ありません。

これとは逆に、会社から見て社長など役員への貸付金が貸借対照表に計上されている場合は、この債権は実質的に回収できない債権とみなされ、資産価値が無いので貸借対照表上ではこの貸付金は控除されます。

その分は自己資本が減ることになりますから、場合によっては純資産がマイナスとなれば、査定上は「要注意先」と分類される可能性もあります。



さて、特別貸付と小企業等経営改善貸付(マル経)について見てみましょう。


T 特別貸付

公庫では、普通貸付以外にも、「特別貸付」という制度を用意しています。

これは、特定の政策目的に沿って設けられており、例えば、厳しい経営環境にある中小企業のための「セーフティネット貸付」など、政策的位置づけの制度もあります。

以下に主な概要を記します。
(金額は融資限度額)


1.セーフティーネット貸付
 
・経営環境変化資金
(売上が減少するなど業績が悪化している場合) 4800万円

・金融環境変化資金
(取引金融機関の破綻などにより資金繰りに困難をきたしている場合) 別枠40000万円

・取引企業倒産対応資金
(取引先企業の倒産等により経営に困難をきたしていてる場合) 別枠4000万円


2.企業再生貸付

・企業再建・事業継承支援資金
(企業の再建を図る、または事業を継承する場合) 7200万円


3.企業活力強化貸付

・企業活力強化資金
(卸売業、小売業、飲食業、サービス業を営む方で、店舗の新築・増改築や機械設備の導入を行う場合) 7200万円

・IT資金
(情報化投資を行う場合) 7200万円

・財務向上サポート資金
(経営状況が一定の要件に該当し、合理化により収益性の向上が見込める場合)  1500万円

・地域活性化・雇用促進資金
(社会貢献方事業を営む、雇用創出効果が見込まれる場合など)7200万円


4.環境・エネルギー対策資金 
(石油代替エネルギー設備や省エネルギー設備を導入する場合等)7200万円


5、食品貸付
(食品関係の小売業・製造小売業等で店舗の新築・増改築、機械設備の導入、フランチャイズチェーンの加盟などを行う場合)  7200万円


以前に公庫からの融資を断られた方でも、ここ最近のセーフティネット貸付制度の拡充によって融資を受けられるようになっている可能性も高いので、あきらめないで再度、相談してみてはいかがでしょうか。


U  小企業等経営改善貸付(マル経) 

小企業等経営改善貸付(通称「マル経」)とは、担保も無く、保証人もいないという小規模事業者(従業員20人以下、商業・サービス業では5人以下の法人や個人事業主)の経営をサポートするため、無担保・無保証人で、商工会・商工会議所の推薦に基づいて貸付が行われる制度のことです。

この制度はすでに創業・開業している方を対象としています。

融資額は1500万円以内で、返済期間は運転資金なら7年以内、設備資金は10年以内です。

この制度のポイントというか、ややこしいところは、原則、「商工会・商工会議所の経営指導員による6ヶ月間の経営指導」が必要になるということでしょう。

商工会・商工会議所の関係者の方には恐縮ですが、この制度を受けるために、必要もないのに経営指導を受けなければならないということです。

経営指導が必要な会社ならちょうどいい機会ですので、経営指導を受けるのもいいでしょう。


また、このマル経を申請しようと思えば、原則、商工会・商工会議所の会員になる必要があります。

ちなみに、マル経の申込み窓口は商工会・商工会議所ですが、お金を貸すのはあくまでも公庫です。   

したがって、公庫から既に借入れがあって返済がさほど進んでいない場合はこのマル経の利用は難しいといえます。

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2010年06月16日

日本政策金融公庫(旧・国金)の融資制度について




こんにちは。税理士の山内です。

最近、スケジュール管理をGoogleカレンダーに変えました。

今まではスケジュール管理は頑なに手帳に手書きしていたのですが、手帳だけでは不便なこともあり、試しにGoogleカレンダーでやってみました。

やってみると、とても便利。


これのいいところは、 Googleの提供するストレージにWEBからログインするので、自宅・職場・外出先どこでもネットが繋がれば書き込み・閲覧が可能ということです。

iPadを使い始めたこともあり、これでiPhone、iPad、パソコンと何からでも、どんな場所でもスケジュール管理が可能になり、とても便利です。


メール管理に関しては、これと同じことをG- mail(これもGoogleの提供するサービス)で以前からやっていたのですが、スケジュール管理は今までは手書きの手帳のままでした。

メール管理にならってスケジュール管理もクラウド化したわけです。


ちなみに、このブログやメルマガの原稿の下書きは『Evernote(エバーノート)』というサービスで管理しています。

この EvernoteもG- mailやGoogleカレンダーと同じWEB上のストレージサービスで、私は原稿や打ち合わせのメモ、気になったWEB上のニュース、To Doリストなどを管理しています。

写真やPDF、WORDやEXCELのデータについては、『Dropbox(ドロップボックス)』というストレージサービスが便利で重宝しています。

これらのサービスはもちろん、職場でも自宅でも、外出先でも、あらゆるデバイスで書き込み・ブラウズできるので、とても便利です。


仕事管理をどんどんクラウド化しているわけですが、なにかの障害や災害などでネット回線やGoogleのホストコンピュータがダウンしたときはお手上げですね。

そのときの対策も考えねば。

Googleカレンダー
G-mail
Evernote
Dropbox



ここからが今回の本題。

今日は日本政策金融公庫の基礎知識についてお伝えします。

日本政策金融公庫(通称、「政策金融公庫」とか「日本公庫」とか言われる。)は、国民生活金融公庫と中小企業金融公庫が廃止され、それらの業務を引き継ぐ形で2008年10月に発足しました。

今でも「国金からお金を借りる」というかんじで、「国金」と言われることが多いですね。


日本政策金融公庫(以下、「公庫」と称します。)の基本となる主な融資制度は以下のとおりです。

(ここでは、旧中小企業金融公庫の中小企業事業分は除きます。旧国民生活金融公庫の国民生活事業分のみご紹介します。)

(利率については、基準利率+何%という感じで、そのときどきで変わりますので、ここではご紹介いたしません。
公庫窓口やホームページで随時ご確認ください。)


1.普通貸付

2.新規開業者向け融資

3.特別貸付

4.小企業等経営改善貸付(マル経)



1の普通貸付について。

公庫の基本となる融資制度です。

金融業や投機的事業を除き、原則、ほとんどの業種の中小企業を対象としています。

すでに開業している事業者は、まずはこの制度を検討することになるでしょう。


運転資金、設備資金で4800万円以内の融資額です。

返済期間は運転資金は5年以内、設備資金は10年以内、据置き期間はそれぞれ1年以内、2年以内。



2の新規開業者向け融資について。

ほとんどの創業予定者がこれを検討するようですね。

この中でもいろいろな制度があり、現在、最も利用の多いのが「新創業融資制度」です。


融資額は1000万円以内で、運転資金・設備資金ともに7年以内の返済期間で、据置き期間は1年以内。

何といってもこれのメリットは、無担保・無保証人であることですね。


しかし、この制度は対象者が限られ、下記の要件全てに該当することが必要とされます。

A.創業の要件。
新たに事業を始める方、または事業開始後の税務申告を2期終えていないこと。

B.勤務経験等の要件。
現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める人で、現在の企業に3年以上勤務又は同じ業種で3年以上勤務の人。
雇用創出や新技術創出の要件を満たしてもいい。

C.自己資金の要件。
創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できる人。


このCの自己資金要件がクセモノですね。
これがクリアできない人が多いです。

例えば、事業開始に必要な資金が1500万円なら、3分の1の500万円を用意しなければならないということです。

キツイですね。


ただ、自己資金要件がクリアできない方には、他の新規開業者向け融資を利用する手があります。

例えば、「新規開業資金」「女性・若者、シニア起業資金」「再チャレンジ支援融資」などです。

自己資金が足りなくても、保証人になってくれる人がいたり、不動産担保があるなら、これらも検討したほうがいいでしょう。


「新規開業資金」ならば、融資額は運転資金は4800万円以内、設備資金は7200万円以内。
返済期間は運転資金なら原則5年以内、設備資金は15年以内です。

「女性・若者、シニア起業資金」は女性又は30歳未満か55歳以上の方が対象。

「再チャレンジ支援融資」は過去に廃業歴等のある方が対象です。


今回はここまでといたしまして、3の特別貸付、4の小企業等経営改善貸付(マル経)については次回にご紹介いたします。



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posted by 山内会計事務所 税理士 山内司 at 07:43| 日本政策金融公庫について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月02日

リスケ交渉のときに準備すべきこと & 北陸地方でのリスケ交渉の成功率

こんにちは。税理士の山内です。

前回のブログで、金融庁の実績発表によれば、モラトリアム法案による借入金返済条件の変更交渉は、一度でも交渉のテーブルが設けられれば、かなり高い確率(金融庁発表によると98%!ホントかな。)で変更に応じてもらえると書きました。

今回は、その交渉のテーブルについてもらうときまでに、会社として準備すべきこと、考慮すべきことをお伝えします。


リスケジュール交渉の際には、しかるべき書類を用意して交渉に臨むことが必要です。

最低でも、以下の書類は用意しましょう。

a.返済条件変更依頼書

b.経営改善計画書

c.資金繰り計画書

aの返済条件変更依頼書は、これまでの経緯や現状の経営状況、現状の返済条件内容と希望返済条件内容、今後の経営方針、具体的対策などを依頼文書としてまとめます。

bやcの経営改善計画や資金繰り計画をペーパーに表現できないようでは、金融機関としては交渉したくても交渉できません。


また、会社の資金繰り状況によっては、交渉に入る前に以下の点も考慮すべきです。

・担保定期預金以外の定期預金は普通預金に移し、その普通預金を下ろして他の金融機関に移す。

・売掛金の入金口座を他の金融機関に変える。


リスケジュール交渉が暗礁に乗り上げ、資金繰りがさらに逼迫してきたときの万が一の準備です。

変える先の金融機関は、借入れのない、できれば離れたエリアの金融機関がいいでしょう。

万が一、差し押さえの手段を取られたときのための対策です。


リスケジュール交渉は、銀行に断られることがスタートです。

粘り強く交渉しましょう。


【追記】
5月31日に、私の地元、北陸財務局(管轄は冨山、石川、福井の3県)での融資条件変更の実績が発表されました。

それによると、中小企業等金融円滑化法案(いわゆるモラトリアム法案)施行後、中小企業から条件変更の申し入れは3月末までに3900億円に達しました。

このうち79%の3100億円が返済期限延長や金利減免といった条件変更が実施されたとのことです。


79%という数字は、先に金融庁が発表した日本全体の98%よりは格段に低いですが、リスケ交渉のテーブルにつけば、そのうち8割が成功したと思えば、そこそこの数字かなという気がします。

金融機関の業態別の条件変更率は、信用組合が84%と最も多く、次が地方銀行の79%、信用金庫の77%。

中小企業向け融資全体のうち8%が条件変更の申し込みをしたことになるようです。

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posted by 山内会計事務所 税理士 山内司 at 11:04| リスケジュール交渉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月29日

借入返済の条件変更は98%OK! & iPad雑感

こんにちは。税理士の山内です。


最初は本題から外れますが、昨日5月28日はiPadの日本発売の日で、マスコミでその騒ぎが盛んに報道されましたね。

かく言う私も iPadを早期予約で発売当日に入手。

いろいろとソフトを使ってみたり、アプリケーションのセッティングなどでほぼ半日費やしました。


ほぼ半日、使った感想。

「売れるわ。これは。」

「生活もビジネスもこれでガラリと変わる。」


iPad 登場のインパクトはiPhoneの登場のときの比ではないでしょう。
(iPhone も発売日に飛びついたモノ好きです。)

それくらいの可能性を秘めています。

それがナゼなのかは、他の人がいろいろとこれから述べるでしょうからここではクドクド説明しませんが、
一言でいうと、

「情報のアンビエント化」。


アンビエントという言葉は、最近のベストセラー『電子書籍の衝撃』の著者、佐々木俊尚さんの言葉です。

この本は、新書(ディスカバー新書)ですが、巷に溢れかえる羊頭狗肉の新書版ビジネス本とは比べ物にならないほど、ビジネス上の示唆に富んでいます。

(そもそもこの新書の発行元、ディスカバー・トゥエンティワンという会社自体が、これからの出版社のあり方として注目すべき会社です。)



ビジネスパーソンで、iPadをまだ入手していない方、入手するつもりのない方、それはどちらでもいいですが、少なくとも、スマートフォンやiPad競合機器が巻き起こす動きには敏感にアンテナを立てていたほうがいいでしょう


さて、ここからが今回のブログの本題。

資金繰りに困っている中小企業の経営者の方にとって、喜んでいいのかどうなのかわかりませんが、とにかく信じられない発表がありました。


金融庁は5月28日、昨年12月に施行された「中小企業金融円滑化法」(いわゆるモラトリアム法案)につき、適用対象となった金融機関が返済猶予など貸付条件の変更にどう対応したかの実績を発表しました。

中小企業からの申請約46万件のうち、金融機関がリスケジュールなど返済の条件変更に応じた実行率は98.3%。

にわかには信じられないほど高い率です。


中小企業から借入れ返済のリスケジュールのお願いがあっても、銀行側が最初から話も聞かないで交渉のテーブルにもつかないケースもあるでしょう。

監督官庁への報告ですから、銀行はそういうケースについては対応件数の分母に参入していないのではないかという気がします。


この実行率の数字の真偽のほどはともかく、少なくとも一度でも返済条件変更の交渉のテーブルが設けられれば、かなり高い確率で返済金額や返済期間の変更ができると言えるのではのではないでしょうか。

 
融資返済の条件変更を申し出ると、ほとんどの銀行は最初は渋った顔をし、断ります。

それが銀行の定石です。


問題は、断られたその後にいかに粘って条件変更のテーブルにつかせるかです。

会社の資金繰りのためには、借入金の返済方法の見直しは絶対不可欠です。

返済方法の見直し交渉は、断られることから始まる、と思ってください。


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posted by 山内会計事務所 税理士 山内司 at 12:17| リスケジュール交渉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月21日

リース料のリスケジュール

こんにちは。税理士の山内です。

今日は、リース会社とのリース料の支払猶予・リスケジュール交渉についてお話します。

5月4日付のこのブログで、経済産業省が社団法人リース事業協会に対し、今年4月16日付けで以下のような要請を出したことをお伝えしました。

『中小企業から支払猶予や契約期間延長の申し込みがあった場合には、リース期間等の使用可能期間を考慮しつつ、支払い条件の変更などを柔軟かつ適切に対応するように期待する。』


上記の経産省の要請は、昨年12月のモラトリアム法案の趣旨に基づき、銀行同様にリース事業者にも、中小企業の資金繰り需要の要請に応えることを求めているのです。

以前にもお伝えしたように、会社の資金繰りのためには、銀行からの融資の返済条件の変更(いわゆるリスケジュール)だけでなく、
リース会社へのリース料の支払も条件変更の対象に含めて考えるべきです。


一般的に、リース会社は支払が滞ったときの催促は銀行以上に厳しく、法的措置をとることも早いです。

従来のリース会社はリスケジュールを申し込まれてもなかなか応じようとしませんでした。


今回の経済産業省の要請が、個々のリース会社にどこまでの影響をもたらすかは、正直なところ、わかりません。

しかし、リース会社との交渉の場で経産省の要請の件を持ち出して、
もう一度、リースを組み直すなどで支払期間を長くして、
月々の支払額を減らすような交渉方法をとることをお勧めします。


リース会社が交渉のテーブルになかなか乗ろうとせず、
「リース物件を引き上げます。それでもいいのですか。」と言ってくるかもしれません。

しかし、実際に物件を引き上げることは、少ないのが現実です。
(ただし自動車など動産価値があるものは例外。)

リース物件は使い込まれているので引き上げても商品価値は無く、引き上げの運搬費用のほうが高くつくケースが多いからです。


「今はこれだけしか払えない」と数千円から交渉し、月々の支払額を一万円以内におさえるのが理想です。

一万円以下なら請求手数料のほうが高くつき、ほどなくして償却扱いにして請求を止める可能性もあります。


とにかく諦めずに、粘り強く交渉するのが会社の資金繰り向上の基本です。


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posted by 山内会計事務所 税理士 山内司 at 11:41| 資金繰りの掟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月09日

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