2014年11月19日

公庫の「新創業融資」と信用保証協会付け制度融資の違い

会社を設立したばかりの人や創業者が借りられる融資は、大まかに言って、日本政策金融公庫(公庫、国金)の「新創業融資」と信用保証協会の保証を付けた民間金融機関の「制度融資」の2種類と思ったほうがいいでしょう。

では、この2者の違い、それぞれのメリット、デメリットは?

(制度融資は各都道府県ごとに差異があり、かつ、いくつもバリエーションがあるので一概に比較できないのですが、それをご承知おきください。)

審査期間、申込みのしやすさでいえば公庫の「新創業融資」が勝ると言えるでしょう。
制度融資は窓口である銀行等と信用保証協会の2か所の審査を受けるので、どうしても時間がかかります。(窓口としては銀行等の1か所ですが。)

申込みできる人の条件で見ると、どうでしょうか。
創業後の申込み期間についていえば、公庫のほうは「開業前または事業開始後2期まで」と明確にされていますが、制度融資は都道府県によって条件が違うので、何とも言えません。

事業経験については、公庫は6年以上の事業経験などけっこう細かい縛りがあるので、制度融資のほうが勝っている場合が多いでしょう。

自己資金や融資限度額については、公庫の「新創業融資」は最大で自己資金の9倍かつ3000万円まで融資が可能と、かなり嬉しい条件です。
公庫のほうがすぐれている場合が多いのではないでしょうか。


私の地元、石川県の場合であれば、起業予定の業種で勤務経験がほどほどある方がならば、私は圧倒的に公庫をお勧めしています。

創業融資を希望する方は、お住まいの都道府県の制度融資を調べたうえで検討してみてください。
posted by 山内会計事務所 税理士 山内司 at 20:13| 融資・借入れの基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月20日

決算書で気をつけるべき財務指標




こんにちは。朝4時35分起きの税理士、山内です。

今回は、銀行等との借入れ・資金繰りのお付き合いの上で、会社の決算書で気をつけるべき指標についてお伝えします。


前々回7月15日のブログ『銀行との付き合い方』でも申し上げましたが、普段から以下の2つを心がけて、決算書を組めるようにすべきです。

A.債務超過にしない
B.何期も続けて赤字にしない。

これは普段から気をつけるべき経営の心構えともいえるでしょう。



さて、では具体的に、銀行が融資審査において、会社の決算書でとくに重視する指標は何でしょうか?

それは、以下の2点です。
(銀行や審査担当者、状況によって、考え方や指標の算出方法が異なることはご承知おきください。)

・自己資本比率

・債務償還年数



自己資本比率は上記「A.債務超過にしない」と直結する指標です。

簡単に言うと、総資本に占める自己資本の割合を示すものです。

言い方を変えれば、会社の総資産から負債を差引いた純資産が、どれだけの割合なのかを示します。


計算式は、「自己資本(純資産)÷総資本(総資産)×100」です。

自己資本比率は、その数字が高ければ高いほど企業の安全性が高いと判断されます。

基準としては、30%もあれば、理想的です。

少なくとも10%〜20%は欲しいですね。


もし、この数値がプラスではなく、マイナスですと、いわゆる債務超過の状態です。

状況にもよりますが、一般的には債務超過の中小企業に銀行は新規融資をしない、と考えられています。

とくにプロパー融資は、かなりきつくなるでしょう。



債務償還年数は、企業が有利子負債を全額返済できるまでに、何年かかるかという指標です。

企業の返済能力を示す指標といってもいいでしょう。


計算式は、「有利子負債÷(営業利益+減価償却費)」です。

算出された数字が小さければ小さいほど、優秀な企業と考えられます。

理想としては10年以内をキープしたいところです。

銀行としては、融資したお金があとどれだけの期間で返済されるかという、最も気になる指標ですよね。


仮に今回の決算期末の借入れ残高が5000万円あったとしましょう。

今期の営業利益が300万円で、減価償却費が100万円だったとします。

「5000÷(300+100)」=12.5で、債務償還年数は12年半ということになります。



ちなみに、「営業利益+減価償却費」は言い方を変えれば、キャッシュフローの額ともいえます。

キャッシュフローとは、損益計算書上の損益とは違った概念で、現預金の入金・回収と出金・支出をベースとした考え方です。

このキャッシュフローが金融機関からの借入れの返済原資と考えられます。

ここでこの「キャッシュフロー」と借入金の「年間返済額」のどちらが多いかを比べてみてください。

1.キャッシュフロー > 年間返済額 の場合
2.キャッシュフロー < 年間返済額 の場合

1はキャッシュフローが借入れの年間返済額より多いケースで、2はキャッシュフローが借入れの年間返済額より少ないケースです。

どちらが優良な企業で、銀行が新規融資に積極的になるか、答えは明らかですよね。



当然、銀行が企業の業績審査を行う上では、「自己資本比率」や「債務償還年数」だけで企業の業績を評価するわけではなく、他の様々な財務指標や審査項目が考慮されます。

しかし、この2つの指標は金融機関が重視するものであることは間違いなく、また、銀行との付き合いや資金繰りの面だけでなくても、会社経営全般においても重要な指標ですので、ぜひとも、
「自己資本比率」や「債務償還年数」を気にかけて会社経営にあたってください。

------------------------------------------------
税理士・山内司 / 山内会計事務所 【石川県金沢市】

〒 920−0993 金沢市下本多町6番丁40−1
TEL:076-263-1490 

メルマガ【実録】会社設立と起業の実践ノー
メルマガ【資金繰りと会社再生】実践セミナー
メルマガ【会社の税金と節税・基本のキホン】

------------------------------------------------
posted by 山内会計事務所 税理士 山内司 at 12:02| 融資・借入れの基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。