2010年07月03日

銀行は企業をどう評価するのか?




こんにちは。税理士の山内です。

今回は、銀行の企業評価についてお伝えします。

銀行は企業のどこを見て、融資の姿勢や返済計画の見直しなどを判断するのでしょうか。


大まかに言えば、この3つです。

1.定量評価

2.定性評価

3.融資・返済状況


1.定量評価

定量評価とは、企業の決算書をもとに数字でもって評価するということです。

具体的には、貸借対照表、損益計算書をもとに評価するのですが、貸借対照表においては実態的バランス、
損益計算書においては営業利益、経常利益を重視します。

ここで言う実態バランスとは、銀行が自行のマニュアルに基づき企業の貸借対照表を独自に算定した結果です。

例えば、以下のようなことを独自に査定します。

・資産の含み損は加味するが、含み益は加味しない。

・売掛金等の債権は回収可能性により金額を修正する。

・代表者からの借入れなど、実質的に返済不要の債務は資本の部に参入する。

・代表者への貸付など、実質的に回収不能とみなして資産から差引く。

・本業で不使用の不動産や有価証券、関連会社関係資産は厳格に査定して加味する。


このような査定の結果、資産の部の金額から負債の部の金額を差引いた「株主資本(純資産)」の額を重視します。

株主資本(純資産)がマイナスであれば、債務超過ということであり、銀行の自己査定上の区分として「破綻懸念先」に分類することにもなりかねません。

(自己査定上の分類方法はこの後半にご説明します。)


損益計算書においては、銀行は営業外収益や特別利益での収益は度外視します。

つまり、その会社本来の本業の営業結果としての「営業利益」と、臨時的・偶発的な収益を除いた「経常利益」を重視するということです。

例えば、本業とは関係のない収益、補助金、税金の還付などの「雑収入」、債務免除益や固定資産売却益などの「特別利益」は企業の本来の収益力を表すものではないので無視します。


以上の査定を経て、「安全性」「収益性」「成長性」「債務償還能力」に各々点数をつけ(スコアリング)、その合計点で評価します。


2.定性評価

定性評価とは、簡単に言えば、企業のカネの面ではなく、ヒト・モノで評価するということです。

この評価においては、大きく分けて以下の2つの点に注目します。

・企業全体の技術力・販売力

・経営者の資質


企業全体の技術力・販売力としては、同業他社と比べた優位性や業歴、業界内での地位や評判が大きくものをいいます。
マーケティング力や製品開発力も加味されるでしょう。

経営者の資質としては、その経営スタイルだけではなく、ブレーンの人材育成や後継者の有無、個人資産状況や人脈も大きく左右されるでしょう。


3.融資・返済状況

もちろん、現在のその企業へのの融資状況や返済の状況も銀行にとっては大きな注目点です。

返済が2ヶ月以上延滞していたりすれば、「破綻懸念先」以下に分類します。

適用レートが支援金利(短プラ以下)の場合、リスケジュール要請により返済期限が長期の場合などは「要管理先」に分類します。

銀行はこのようにして企業を見ているわけです。



◎銀行による企業(債務者)の格付

銀行の自己査定による債務者区分、格付について説明しましょう。

債務者区分とその対応方法は以下のとおりです。
(対応方法は、メガバンク・地銀・信金など規模や個々の銀行の状況により差があります。)

・正常先(高格付け)・・・積極対応。

積極的に貸付セールスし、他行よりもシェアアップを狙う。

・正常先(低格付け)・・・一定の範囲内で積極対応。 

保全・採算を勘案して貸付要請に対応する。

・要注意先(要管理先)・・・消極対応。

現在の貸付は維持するが、新規貸付はは回避。
採算性と保全を確保するために金利引上げ、返済額の増加、追加担保を要求する。
主力銀行が他行であればその動向を注視する。

・破綻懸念先・実質破綻先・・・取引の後退、回収または債権の譲渡。

元本回収を優先し、回収額の増加または担保・保証人の追加を要請する。



銀行はこのように債務者である企業を格付けします。

これに対して、資金の借り手である企業側はどう考え、どう対応すればいいのでしょう。

その対応方法、銀行との付き合い方については次回ご説明します。


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税理士・山内司 / 山内会計事務所 【石川県金沢市】
〒 920−0993 金沢市下本多町6番丁40−1
TEL:076-263-1490 

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posted by 山内会計事務所 税理士 山内司 at 17:27| 民間の銀行からの融資対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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