2010年06月30日

日本政策金融公庫(旧・国金)について(その2)




こんにちは。税理士の山内です。

今回は前回に引き続き、日本政策金融公庫(旧・国金、以下は「公庫」とします。)についてお伝えします。


前回は「普通貸付」と「新規開業者向け融資」について書きました。

今回は「特別貸付」と「小企業等経営改善貸付(マル経)」についてお伝えします。


その前に、公庫についてよく聞かれる質問について、お答えしましょう。


【Q】公庫では会社の決算が赤字でも貸してくれるの?

【A】必ずとはいえませんが、少なくとも民間の銀行よりは、赤字の会社に対して貸してくれる確立は高いといえるでしょう。

もちろん、以前の取引の経緯やその会社の今後の見通し、業界の置かれている状況など、総合的に判断されるので一概には言えません。

ただ、民間の銀行は自己査定といって、毎年貸付先の決算書をもとに債権の分類をし、このときに赤字の会社は「要注意先」として「正常先」より下のランクになり、新規の融資や融資枠の増加には足踏みすることになります。

その点、公庫の査定は、こういっては失礼ですが、民間銀行に比べれば、甘く見ることが多いようです。

それは、民間ではできないことを国の信用をもとにリスクを負って政策的使命果たすために融資を行うという公庫本来の性格によるものです。



【Q】前期は業績が好調だったので、社長への役員報酬は前期と同じ金額を今期も計上し続けました。

しかし、今期はご多分にもれず不況の影響で売上も落ち、資金繰りの関係上、社長への役員報酬は半年分を未払いのまま決算を迎えました。

その結果、貸借対照表上は社長への未払い役員報酬の半年分として役員借入金勘定が計上されています。

この決算書で公庫からの融資は受けられるでしょうか。


【A】これも絶対とはいえませんが、会社から見た役員からの借入金は実質的に資本金と同じとみなし、自己資本と同等に勘定されますので、融資にあたっては問題ありません。

これとは逆に、会社から見て社長など役員への貸付金が貸借対照表に計上されている場合は、この債権は実質的に回収できない債権とみなされ、資産価値が無いので貸借対照表上ではこの貸付金は控除されます。

その分は自己資本が減ることになりますから、場合によっては純資産がマイナスとなれば、査定上は「要注意先」と分類される可能性もあります。



さて、特別貸付と小企業等経営改善貸付(マル経)について見てみましょう。


T 特別貸付

公庫では、普通貸付以外にも、「特別貸付」という制度を用意しています。

これは、特定の政策目的に沿って設けられており、例えば、厳しい経営環境にある中小企業のための「セーフティネット貸付」など、政策的位置づけの制度もあります。

以下に主な概要を記します。
(金額は融資限度額)


1.セーフティーネット貸付
 
・経営環境変化資金
(売上が減少するなど業績が悪化している場合) 4800万円

・金融環境変化資金
(取引金融機関の破綻などにより資金繰りに困難をきたしている場合) 別枠40000万円

・取引企業倒産対応資金
(取引先企業の倒産等により経営に困難をきたしていてる場合) 別枠4000万円


2.企業再生貸付

・企業再建・事業継承支援資金
(企業の再建を図る、または事業を継承する場合) 7200万円


3.企業活力強化貸付

・企業活力強化資金
(卸売業、小売業、飲食業、サービス業を営む方で、店舗の新築・増改築や機械設備の導入を行う場合) 7200万円

・IT資金
(情報化投資を行う場合) 7200万円

・財務向上サポート資金
(経営状況が一定の要件に該当し、合理化により収益性の向上が見込める場合)  1500万円

・地域活性化・雇用促進資金
(社会貢献方事業を営む、雇用創出効果が見込まれる場合など)7200万円


4.環境・エネルギー対策資金 
(石油代替エネルギー設備や省エネルギー設備を導入する場合等)7200万円


5、食品貸付
(食品関係の小売業・製造小売業等で店舗の新築・増改築、機械設備の導入、フランチャイズチェーンの加盟などを行う場合)  7200万円


以前に公庫からの融資を断られた方でも、ここ最近のセーフティネット貸付制度の拡充によって融資を受けられるようになっている可能性も高いので、あきらめないで再度、相談してみてはいかがでしょうか。


U  小企業等経営改善貸付(マル経) 

小企業等経営改善貸付(通称「マル経」)とは、担保も無く、保証人もいないという小規模事業者(従業員20人以下、商業・サービス業では5人以下の法人や個人事業主)の経営をサポートするため、無担保・無保証人で、商工会・商工会議所の推薦に基づいて貸付が行われる制度のことです。

この制度はすでに創業・開業している方を対象としています。

融資額は1500万円以内で、返済期間は運転資金なら7年以内、設備資金は10年以内です。

この制度のポイントというか、ややこしいところは、原則、「商工会・商工会議所の経営指導員による6ヶ月間の経営指導」が必要になるということでしょう。

商工会・商工会議所の関係者の方には恐縮ですが、この制度を受けるために、必要もないのに経営指導を受けなければならないということです。

経営指導が必要な会社ならちょうどいい機会ですので、経営指導を受けるのもいいでしょう。


また、このマル経を申請しようと思えば、原則、商工会・商工会議所の会員になる必要があります。

ちなみに、マル経の申込み窓口は商工会・商工会議所ですが、お金を貸すのはあくまでも公庫です。   

したがって、公庫から既に借入れがあって返済がさほど進んでいない場合はこのマル経の利用は難しいといえます。

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税理士・山内司 / 山内会計事務所 【石川県金沢市】
〒 920−0993 金沢市下本多町6番丁40−1
TEL:076-263-1490 

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posted by 山内会計事務所 税理士 山内司 at 13:27| 日本政策金融公庫について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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